串間市

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所信表明

令和3年第6回串間市議会(12月定例会)

 

 令和3年第6回串間市議会定例会の開会にあたり、私の市政運営に対する所信の一端を申し述べ、議員の皆様並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 私は、この度の市長選挙におきまして、第19代串間市長として2期目の市政を担わせていただくこととなりました。

 改めて、課せられた使命と責任の重さに、身の引き締まる思いであり、初心に立ち返り、市民の皆様や議員各位のご協力をいただきながら、課題の解決に全力をもってあたるとともに、串間市政発展のため、私の全てを傾注していく所存であります。

 私はこれまでの4年間、「団結」「継続」「変革」の政治信念のもと、「真の地方創生」「暮らしと心の豊かさ」「くしま人財の育成」を柱に、市民目線に立った市政運営に取り組んでまいりました。

 その間、道の駅くしまを中心とする市街地再整備や都井岬再開発、串間温泉いこいの里の再生など、さまざまな課題や懸案事項がございましたが、市民の皆様や職員と一丸となり、議員各位のご協力をいただきながら、一つ一つ、道筋を付けてまいりました。

 また、串間市の豊かな自然環境を生かした再生可能エネルギー政策の推進や県内初となるゼロカーボンシティ宣言、SDGsの理念を念頭に置いた事業展開など、私のカラーを出しつつ、新しい串間の方向性を示すことができたものと考えております。

 一方で、少子高齢化や人口減少が進む中、新型コロナウイルス感染症対策やサツマイモ基腐病対策、大規模災害に備えた防災対策など、対処すべき課題が山積しております。

 限りある経営資源であります「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」「時間」を効率的・効果的に投入し、投資に見合う効果をいかに発揮していくかを念頭に置きながら、これらの課題解決に向け、真摯に取り組んでまいります。

 大変厳しい状況での舵取りとなりますが、これまでの取組をしっかりと継承しつつ、磨き上げを行いながら、より一層邁進していく所存であります。

 それでは、2期目を迎えるにあたり、私の市政運営における基本的な考え方について申し上げます。

新型コロナ対策

 はじめに、私に課せられた最優先の課題は、新型コロナウイルス感染症への対策であります。

 ご承知のとおり、新型コロナウイルス感染症の全国的な拡大により、串間市におきましても、市民生活や経済活動が制限され、多くの事業が中止または規模縮小するなど市政運営にも大きな影響を及ぼしました。

 再び感染が拡大しないようワクチン接種をはじめとする感染予防対策をしっかりと講じていくとともに、引き続き、経済的な支援等を行い、被った影響を最小限に抑え、今後の感染状況を注視しつつ、国・県と密接に連携しながら迅速かつ的確に対応してまいります。

安心安全なまちづくり

 次に、防災についてであります。

 全国的に大規模な自然災害が頻繁に発生しており、当市においても、南海トラフ巨大地震や豪雨災害、さらには特別警報級の台風発生など、これまでに経験したことのない災害も予想されており、災害に強い安心・安全なまちづくりが喫緊の課題であると感じております。

 防災行政無線やエリアメール等を活用し、迅速・的確な情報伝達に努めるとともに、自主防災組織の強化、防災訓練・防災教育を実施するほか、消防庁舎の高台移転を含めた防災拠点の整備や被災者受入体制の強化、避難道路整備など、ソフト・ハードの両面から、災害に強いまちづくりを推進してまいります。

温暖化の防止対策の推進

 次に、地球温暖化の防止対策の推進についてであります。

 昨年1 2月議会におきまして、県内初となる「ゼロカーボンシティ宣言」を議決いただきました。

 この宣言を着実に実行すべく、先進的にCO2を削減する取組などの導入支援やEV等の次世代自動車の導入を推進するとともに、市民個々人の取組や意識の醸成も重要との観点から、情報発信の徹底を図り、ごみの減量化やリサイクルなど、脱炭素社会実現に向けた取組を、引き続き、市民の皆様と一丸となって、積極的に推進してまいります。

 また、再生可能エネルギー施設の整備や脱炭素社会実現のための各種事業を推進するにあたりましては、本市が誇る自然環境と調和をとりながら進め、美しいくしまを後世に残していくよう取り組んでまいります。

健康でいきいき暮らせるまちの推進

 次に健康寿命の延伸についてであります。

 いつまでも健康で長生きすることは、市民共通の願いであり、今後、いかに「健康寿命」を伸ばしていくかが重要となります。

 現在、生涯スポーツの推進や栄養・食育、保健指導などの生活習慣病予防対策をはじめ、検診等による疾病の早期発見・早期治療、介護予防事業の推進など、様々な施策を実施しております。

 これまでの取組をしっかりと継続しながら、新たな視点として、本市の財産の1つである豊かな自然環境や森林がもたらす「いやしの効果」を活用した新たなメニューづくりに取り組んでまいります。

 あわせて、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大により、地方への関心や健康志向が高まっている状況を踏まえ、「市民が100年健康でいきいき暮らせるまち」として新たな魅力を発信していきたいと考えております。

農林水産業の振興

 次に農林水産業の振興についてであります。

 農林水産業においては、担い手不足や従業者の高齢化のほか、農林水産物の価格低迷が懸念されております。

 本市の基幹産業である農林水産業を維持していくため、生産基盤の充実や多様な担い手の育成・確保、流通・販売体制の充実など農林水産業の維持・高度化を図るとともに、スマート農業の推進、環境に配慮した持続可能な農業の促進、計画的な森林施業の推進、森林の保全と育成、「つくり育て、管理する」漁業の確立、水産物の地域ブランド化など、これらの取組を効率的かつ効果的に推進しながら、魅力ある産業として、さらなる成長を遂げられるよう、しっかりと取り組んでまいります。

 また、本市の基幹作物である食用かんしょのサツマイモ基腐病対策つきましては、農地の遊休化の防止や生産農家の所得安定を目的とした新品目等の導入を推進するとともに、JAや民間企業などとの連携による新たな取組を支援しながら、産地の維持に全力で取り組んでまいります。

医療体制の充実・強化

 次に、「医療体制の充実・強化」についてであります。

 医療資源が少ない本市において、串間市民病院は、市内唯一の救急体制を持つ医療機関であり、医師をはじめ、医療従事者の確保等を図りながら、必要な医療の提供を行っておりますが、厳しい経営状況が続いているところであります。

 串間市民病院が、公立病院として地域医療を守り支えるという使命を果たしていくためにも、収益改善や経費の抑制による経営改善を図りながら、医師の確保、職員の接遇向上など、引き続き取り組んでまいります。

関係人ロ・交流人口の増加

 次に、関係人ロ・交流人口の増加についてであります。

 本市において、関係人ロ・交流人口の創出は重要であり、串間市の魅力をさらに高める取組が必要となります。

 現在、道の駅「くしま」において交流拠点となります「市民交流施設」と「イベント広場」の整備を進めており、来年3月末には、これら全ての施設が完成する予定であります。

 また、都井岬においては、新たに民間活力によるアウトドア施設の整備が進められることになっております。

 これらの施設と都井岬観光交流館、串間温泉いこいの里、高松キャンプ公園、さらには既存のスポーツ施設や文化施設などを有機的に連携させるとともに、豊かな自然をはじめとした地域資源を生かしつつ、地域の隠れた魅力を再発見し、各種イベントの実施や地域間交流を図りながら、関係人口や交流人口の増加を推進し、地域活性化・経済活性化につなげてまいりたいと 考えております。

教育環境の充実

 次に、「教育環境の充実」についてであります。本市では、小中高一貫教育を推進し、児童生徒の学力向上と地域に貢献できる人材の育成を図るとともに、ICT教育の推進、特別支援教育の充実、「くしま学」を通した郷土愛の醸成などに取り組んでおります。

 これらの取組をさらに深化・充実させながら、総合教育会議などを通じて教育委員会と連携し、子どもたちの成長をしっかりと支援できる体制を構築してまいります。

 生涯学習の推進については、学習ニーズの把握に努め、串間ならではの生涯学習講座の確立や各種団体との連携を図りながら、生涯にわたって主体的に学べる体制づくり、機会の充実に努めてまいります。

 また、学校教育施設や社会教育関連施設については、緊急性や優先度を考慮した上で整備を図りながら、安全で安心な教育環境の整備に努めてまいります。

終わりに

 このほか、福祉・医療の充実、雇用対策、東九州自動車道の未事業化区間の早期事業化など、継続して取り組むべき重要課題が残されております。

 これらの重要課題に全力を傾注するとともに、今年3月に策定した第六次串間市長期総合計画を着実に実行しながら、「豊かな自然と共存し、みんなで創り育てる 多様性と持続性のまち くしま」の実現に向けて、職員とともに全力で臨む覚悟であります。

 私は、串間の未来を担う若者や子ども達のため、より良い串間の今、そして、明るい未来づくりに 貢献したいという熱い想いを胸に、日々、職務に取り組んでおります。

 あらためて、市民の皆様、議員の皆様におかれましては、今後の市政運営により一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、私の所信表明といたします。

総務課