インタビュー

清水しほ(姉)・塩見さほ (妹) さん

  • 福島地区
  • 大阪→串間

明るく楽しく、まず自分達が楽しむ。

高松海水浴場で、長年愛され続けてきた海の家『はまっこかあちゃん』を引き継いだ、
"清水しほさんと塩見さほさん”姉妹。

串間で生まれ育ち、地元を離れた二人が新たな挑戦として4月からオープンしたお店『The Seaside Mom』。
しほさん(姉)さほさん(妹)のお人柄と、串間の環境だからこそ生まれたお店です。

あたりまえはあたりまえではない

しほ&さほ姉妹は串間温泉の近くで育ち、温泉も海も自然も多少の不便もあたりまえだったそうです。
高校卒業後、それぞれ串間を離れた時期が数年間がありました。
そこから見えてきた風景とは?


<しほさん>
「空港で働きたくて大阪の専門学校卒業後、宮崎空港でグランドスタッフとして働いていました。その後、転職したり子どもが生まれたりと色々あって、子どもが小学校にあがる前に串間に戻ってきました。

元々、串間はすごく好きなんです。海も好き。家族も好き。でも田舎は嫌なんです。
なんだか矛盾しているようですけど。。。でも戻ってきました。


<さほさん>
「もう一人姉がいて三姉妹なのですが、小さい頃から今までずっと仲が良いです。父が出かけることが好きで、家族で九州内を旅行をすることも多かったです

高校卒業後は助産師になりたくて鹿児島の学校に行き、大阪で助産師として働いてから、串間に戻ってきました
地元に住んで、親や友達もいて安心できる場所があるからこそできた選択だと思います。

小さい頃から家族と見てきた、あたりまえな景色を見ながら仕事ができることって、あたりまえじゃなくて ”最高” のことなんじゃないかって実感している最中です。」

高松海水浴場の風景


【タイミングは見切り発車】

Q.お二人とも串間に戻ってきて、ご家族と住まいを構えて、満を持しての開店のように思えますが、どんなきっかけでお店を始めたのでしょうか?


<しほさん>
「全然、満を持していないんです(笑)だいぶ見切り発車でした。

『はまっこかあちゃん』は義母の店で、ゆくゆくは引き継いで何かお店をしたいなぁと思っていたんですけど、こんなに早いタイミングだとは思っていませんでした。ここ数年、閉まっていることが多くなっていたので、家族の中で最優先の課題になっていました。
ちょうど仕事も辞めていたので「じゃあ、目の前にある問題点を解決してみよう」と準備をはじめました。」


<さほさん>
「自営業の夫と一緒に仕事をしているので、手が空いてる時やお店が忙しい時に姉の店を手伝うことはできるなぁと思い、始めることにしました」

姉妹だから始められたと思います。
何か始めるときも辞めるときも、周りのサポートがあるっていうのは気持ちに余裕ができます。」



【今とちょっと先】

『はまっこかあちゃん』は地元の魚を使った串間のアイコン的定食屋でした。

オリジナルな店にしたいけど、愛されていたお店のことは忘れて欲しくない。
それで、つけた店の名前が『はまっこかあちゃん』を英語にした ”「The Seaside Mom」"。
身近な食材を使うお店のスタイルは受け継ぎつつも、これまでとは全く違うメニューや雰囲気を作り出しています。



<さほさん>
「今はこれからの海水浴シーズンに向けてのメニューメインは、おにぎり、うどん、唐揚げ、かき氷です。

串間は気軽に海に行くことはできるけど、そんな時に食べられるお店があまりありません。
お子さんがいると更に選択肢がなくて、お父さんやお母さん達が朝からおにぎりを作ったり、飲み物を準備したり気軽なお出かけが面倒に変わってしまう。お父さんお母さん達が少しでも身軽になって、安心安全なものを食べらることに貢献できたらと思っています。

まぁ、自分達も子どものことで日々いっぱいいっぱいなんですけどね(笑)


<しほさん>
「今は軽食中心ですが、もともと二人ともスイーツが大好きで一緒に作ったり、美味しい店に食べに行ったりしてたんです。作ったスイーツを皆んなに配ると喜んでもらえるのが嬉しくて、いつか二人でお店を出したいねー、なんて漠然と話していたんです。
イベントに出店する時だけスイーツを出していますが、『The Seaside Mom』はスイーツの店にするのが少し先の夢なんです。」


安心して食べてもらいたいものを考えると自然とシンプルなものに。
究極の “塩むすび” 、こだわりの塩が引き立ちます。
お客様にはちゃんと満足していただきたいので、メニュー数を多くすることよりも、今あるもので納得がいくものを提供していきたいとのこと。


<しほさん>
今は土日のみオープンしていますが、本当はもっとお店に関わる時間を増やしたいんです。平日はお惣菜の移動販売もしたいし、スイーツももっと作りたい。
やるべきこととやりたいこと、いつも何かに追われているけど、焦らず少しずつ前進できればいいなと思っています。


常に今と少し先を見据えて、できる範囲を少しずつ広げていくお二人。
お店でスイーツが食べられる日が楽しみです

お店で提供しているメニューの一部

【シーマムへ行こう!!】

<しほさん>
主張することが苦手なので、開店のお知らせが浸透していないんですけど、義母の店のように皆さんに愛される店になりたいと思っています。何よりここが安心感のある場所になれば嬉しいです。 店名がちょっと長いから“シーマム”って呼んでもらえたらいいですね。」


モットーは “明るく楽しく、まず自分達が楽しむ。”
そんな姿勢がお客様にも伝わったら嬉しいと話されてましたが、溢れんばかりに伝わっていました。
お客様に親戚みたいな雰囲気なのは、柔らなか吸引力のあるお人柄だからこそなのでしょう。



【移住を考えている方へメッセージ】

<さほさん>
「前は移住してくる人に対してなんで "串間" なんだろう、もっといいところあるんじゃない?って思っていたけど、今ならわかる気がします。自然はもちろんですが、それ以上に人との関りが魅力です。
自分から積極的に声をかけたりする性格じゃなくても、関わりたいなぁっていう気持ちでいれば、気にしてくれるし、きっと放っておかないよね(笑)」


<しほさん>
「そうそう、お節介って思うかもしれないけど、助けてくれるよね。不便もあると思うけど、お節介の中の優しさを感じられたら住みやすいと思います。」

今回から移住者という枠を取り払って、串間市で輝いている人を紹介することになりました。
地元、移住、関係なく自分の住んでいるところを愛せることは幸せ。
今回の取材を通して強くそう思いました。
しほさん、さほさん、ご協力ありがとうございました。
サバと大葉のおにぎり絶品でした‼‼


※高松海水浴場の海開き 2025年7月12日~8月24日

インスタグラム https://www.instagram.com/the_seaside_mom/