インタビュー

橘 孝吏(たちばな たかし)、奈穂(なお) さん

  • 北方
  • 串間→福岡→串間

串間の自然が大好き
アウトドアを遊び尽くす!

休日には、釣りやサーフィン、
キャンプにBBQと、
自然いっぱいの串間のフィールドを
思う存分に楽しむ橘さんファミリー。

Uターンで戻ってきた孝吏さんは
理学療法士として働き、
結婚を機に串間にきた奈穂さんは
子連れでも気軽に利用できる
カフェ『PEACEMAN』を
オープンしたばかり。

2人の夢だったカフェを
本城にオープン

「串間に戻ってきたら結婚っていいなと思ったんです」
福岡で10年暮らした後にUターンした孝吏さん。
故郷に帰って少し落ち着いたら、福岡にいる奈穂さんが思い浮かんだそうです。
交際0日!? でのプロポーズから結納、結婚式、出産、新しいお店のオープンと、
人生の転機を駆け抜けるおふたりに、串間での暮らしと新しい挑戦についてお聞きしました。


Uターンのきっかけ-
仕事も遊びもやり切った
帰って面白いことをしよう


孝吏さんが串間を離れ、福岡で暮らしはじめたのは高校卒業後、理学療法士の専門学校に進学するためでした。

卒業後、理学療法士として整形外科クリニックに2年間勤務した後は、いろんな経験をしたいと、建設現場で資材を運搬する荷揚げ屋の仕事や、飲食店で働いていました。

気がつけば福岡に来て10年。

孝吏さん
「串間に帰る直前は飲食店で働いていたんですが、すごく忙しかったし、夜に働いて明け方に寝るような生活が続いていて体の具合が悪くなってしまったんです。仕事も遊びもいろんな経験ができたから、10年を節目にして、串間に戻って何か新しい面白いことをしようと決めました」

奈穂さん
「本当に顔色が悪かったよね。心配して、時々ごはんを作りに行っていました」

孝吏さん
「すごくおいしくて、胃袋をつかまれてました(笑)」

孝吏さんと奈穂さんはもともと福岡で知り合い、仲間と一緒にキャンプや釣りなどに行く友だち同士でした。しかし孝吏さんが串間へのUターン移住を決めていたこともあり、2人の仲は進展せず…。


-移住までの道のり-
はじめての串間で
星空に感激した奈穂さん



孝吏さんが串間に戻ってきたのは、2023年のこと。家族や友人とゆっくり過ごすうちに、心身ともに元気を取り戻しました。

新しい仕事も決まり、放課後等デイサービス『なないろ』で、理学療法士として働くことになりました。放課後等デイサービスとは、障害のある子どもを対象に、放課後や長期休暇にサポートをする施設です。子どもたちの身体動作が改善するように、一緒に体を動かすトレーニングや遊びをしたり、安全に過ごせるように見守りをしたりしています。

孝吏さん
「子どもたちと接する仕事ははじめての経験でしたが、理学療法士として自分の力を発揮できることに責任もあるし、やりがいを感じています。子どもたちはみんなかわいいです」

さて、串間に腰を落ち着けてしばらくすると、結婚して子どもがいる友達が多いことに気がつきます。家族で楽しそうに過ごす友達と一緒にいるうちに、だんだんと結婚っていいなと思いはじめたそうです。そして…、

「結婚するなら奈穂しかおらん!」
「えーーー!?」

福岡にいた奈穂さんに電話すると、交際0日でプロポーズ。
答えはイエスでした!

串間に来てほしいと伝えられて、生まれてはじめて串間を訪れた奈穂さん。夜には一面の星空が広がっていて、その美しさが忘れられないそうです。

いきなり結婚して、まったく知らない串間に来ることに抵抗はなかったのですか? と尋ねると、なかったとにっこり。

奈穂さん
「福岡では看護師として働いていましたが、都会の暮らしは毎日バタバタと慌ただしくて。串間の自然がとても素晴らしいと思ったし、気持ちもゆったり暮らせそうだなと思いました。子どもを育てるのにもいい環境だし、せっかくだから今までと違うこともしよう! とすぐに結婚の話が進みました」

孝吏さん
「串間のことが、絶対に気にいるって自信があったんだよね!」

顔を見合わせて笑い合う2人は、幸せいっぱいのポジティブなエネルギーにあふれていて、一緒にいるこちらも元気をわけてもらえそうです。

両家の顔合わせ、結納に結婚式と、家族になる準備を協力して進めながら全力で楽しんだ2人。ウェディングフォトの撮影では、夕焼けの都井岬や石波海岸など、串間の風光明媚なスポットを巡り、素敵な記念もたくさんできました。

-都井岬で撮影したウェディングフォト。まるで映画のワンシーン!-


-移住後の生活-
海に川に山にキャンプ!
自然の中で遊ぶ最高の環境



奈穂さんが移住して約2年、昨年には第1子も誕生して賑やかになりました。自然の中で遊ぶのが大好きな2人にとっては、串間はまさにパラダイス。

奈穂さん
「私は釣りが好きなんですが、友達が釣りに行こうって気軽に船を出してくれることも多くて。船釣りでは、クエやハタも釣れます。福岡にいる時には考えられない恵まれた環境! 夏は高松ビーチでたくさん泳ぎましたし、星空の下でのキャンプも綺麗でした。BBQは、週1くらいでしてる気がします(笑)」

孝吏さん
「サーフィンは昔からしているのと、釣りもキャンプも大好きです。アウトドアでは、いろんな工夫をして遊びます。この間は、第二高畑山にフローリングの切れっ端を持って行って、傾斜で草スキーをして遊びました。見晴らしもいいんですよ」

その時の動画を見せてもらうと、まるでスノーボーダーのようにフローリングに乗って、山道を滑り降りている孝吏さんの姿が! うーん、豪快!

奈穂さん
「都会と違って、どこかに出かけるたびに車が渋滞したり、駐車場代がかかったりしないのもいいですよね。こんなに自然が豊かで素晴らしいところが九州にあるなんて、福岡にいる時にはぜんぜん知りませんでした! 福岡の人にももっと知ってほしいな」

-今後の夢-
みんなが集えるカフェ
『PEACEMAN』をオープン



串間で新しい挑戦をしたい。そんな2人が描いた夢は、みんなが集えるカフェを作ること。

孝吏さん
「本城に、祖父が昔やっていたバイク店があったんです。開放的で雰囲気のいいところなので、そこで何かできたらいいなとは思っていました」

孝吏さんには放課後等デイサービス『なないろ』の仕事があるため、カフェの運営は、奈穂さんが主体です。事業計画書や収支計画書を作り、バイク店の今の持ち主である孝吏さんのお父さんに何度もプレゼンをして、カフェオープンの了承を得ました。

店を改修する際には、壁を塗ったり看板を描いたりと、「自分たちにできることはやろう」とDIYにも挑戦しました。

メインメニューは「タコス」。とうもろこしの生地で作るトルティーヤの上にお肉や野菜をのせて、手で持ってパクッと食べる気軽で楽しいメキシコ料理です。トルティーヤも、タコスにかけるサルサソースも奈穂さんが手作りしています。

その他に、タコライスや季節の野菜カレー、うどんやポテトなどのキッズメニューもあります。子連れでも利用しやすいように、絵本やおもちゃを置いたキッズスペースも作りました。

奈穂さん
「手軽で野菜もたくさん食べられるタコスは、ピリッとスパイシーでクセになるおいしさです。ぜひいろいろな方に味わってほしい」

野菜は串間産のものをふんだんに使用。カレーに添える青パパイヤのピクルス、タコスにギュッと絞るキンカンライムなど、串間ならではの珍しい食材も取り入れています。

奈穂さん
「オープンしたばかりですが、地域の野菜や食材のことを教えてもらったり、子ども連れのお母さんが来て喜んでもらえたりと、いろいろなつながりができるのもありがたいです。たくさんの人が集える場になって、ゆくゆくは、孝吏が働く『なないろ』の子どもたちに来てもらって、料理作り体験などもできたらいいなと考えています」


◎串間のお気に入りスポット
・孝吏さん
串間温泉 いこいの里。鯉にエサをあげて戯れられるのが、昔から大好きです。

・奈穂さん
石波海岸、幸島、都井岬。海が本当にきれい!


◎移住を考えている方に一言
・孝吏さん(Uターン)
早く帰ってきて、串間を一緒に盛り上げていきましょう!

・奈穂さん(Iターン)
はじめて来たら、串間の自然の豊かさにびっくりすると思います。私の福岡の友達も、一度来たら、またゆっくり来たいと言ってくれます。まずは遊びに来て、串間の魅力を知ってほしいです。





『PEACEMAN』がオープンしてすぐに
お店にうかがってみると、孝吏さんと奈穂さんが笑顔で迎えてくれました。
スパイシーなタコスは、後をひくおいしさ。
ライムの酸味、サルサの辛味!
串間でこんなにパンチのきいたごはんが食べられるのは嬉しい限りです。
タコスはテイクアウトもできます。

かつてバイク屋さんだった頃のライトがそのまま残っていたり、
ドラム缶を再利用して作ったテーブルと椅子があったり、
子どもが積み木で遊べるスペースがあったりと、
店内のインテリアは手作り感があって個性的。
窓も大きく、開放感があって居心地のいいところでした。

2人の夢はまだはじまったばかり。
これからの『PEACEMAN』の進化が楽しみですね!



本城でタコスが食べられるカフェ
 PEACEMAN