肺炎球菌は主に気道の分泌物に含まれる細菌で、唾液などを通じて飛沫感染し、気管支炎や肺炎、敗血症などの重い合併症を引き起こすことがあります。肺炎はわが国の死亡原因の第3 位となっていますが、一般に細菌によって生じる肺炎のうち1/4から1/3は肺炎球菌が原因と考えられています。
肺炎球菌には90種類以上の血清型があり、定期接種で使用される「23価肺炎球菌ワクチン(一般名:23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン、商品名:ニューモバックス NP)」は、そのうちの23種類の血清型を予防の対象としたワクチンです。この23種類の血清型は、平成25年には成人における侵襲性肺炎球菌感染症の原因の約6 割を占めるという研究結果があります。
※侵襲性感染とは本来は菌が存在しない血液、髄液、関節液などから菌が検出される感染症のことをいいます。
最近実施された臨床試験では75.4%に副反応が認められました。その主なものは注射部位痛み(72.3%)、注射部位発赤(26.2%)、注射部位腫れ(23.1%)、頭痛(6.2%)、腋窩(わき)痛(4.6%)、注射部位かゆみ(3.1%)でした。
重篤な副反応としては、強いアレルギー反応(アナフィラキシー)、血小板減少性紫斑病、知覚異常・ギランバレー症候群等の急性神経根障害、蜂巣炎・蜂巣炎様反応(いずれも頻度不明)があげられています。
接種後に気になる症状や体調の変化があらわれたら、すぐ医師にご相談ください。
[1] 平成27年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳となる方 対象者への個別通知(説明書・案内文・予診票・実施医療機関一覧表)は、住民票のある住所地に平成27年6月頃(発送日は未定)、発送予定です。
[2] 60歳から65歳未満の方で、心臓機能・腎臓機能・呼吸器機能・免疫機能(HIV感染によるもの)に障害があり身体障害者手帳1級を所持されている方。または、上記の障害で身体障害者手帳1級と同等と判断された方。(この場合は年度年齢ではなく、接種時点での年齢です。)
接種を希望される場合は、予防接種の必要性や副反応についてよく理解した上で接種を受けてください。
平成26年度から平成30年度までの間は、各年度で65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳となる方に対して順次ご案内する予定となっております。
65歳となる方 | (昭和26年4月2日~昭和27年4月1日生) |
70歳となる方 | (昭和21年4月2日~昭和22年4月1日生) |
75歳となる方 | (昭和16年4月2日~昭和17年4月1日生) |
80歳となる方 | (昭和11年4月2日~昭和12年4月1日生) |
85歳となる方 | (昭和6年4月2日~昭和7年4月1日生) |
90歳となる方 | (大正15年4月2日~大正16年4月1日生) |
95歳となる方 | (大正10年4月2日~大正11年4月1日生) |
100歳となる方 | (大正5年4月2日~大正6年4月1日生) |
今までに高齢者用肺炎球菌ワクチンを接種を受けたことがある方は、対象外です。 特に過去5年以内に肺炎球菌ワクチンを接種された方が再接種を受けた場合、本剤の接種により注射した部分が硬くなる、痛む、赤くなるなどの症状が強く出ることがあります。
自己負担額:2,500円(ただし、生活保護世帯に属する対象者は無料) 上記金額で接種できる機会は、案内が届いた1回のみです。 生活保護世帯の方は生活保護を証明するものが必要です。(医療券及び保護受給証明書)
※ 今までに高齢者用肺炎球菌ワクチン(販売名:ニューモバックスRNP)接種を受けたことがある方で再接種を希望する場合は、全額自己負担となります。 また、5年以内に再接種を受けると接種部位の痛みなど副反応が強く出る可能性があります。 必ず主治医とご相談ください。
平成29年3月31日まで 対象の方であってもこの期間を過ぎてしまった場合の接種費用は全額自己負担となります。
1. 予防接種を受けた後30分間は、急な副反応がおこることがあります。接種医にすぐに連絡がとれるようにしておきましょう。
2. 接種当日は激しい運動や深酒を避けてください。(接種当日の入浴は差し支えありません。ただし注射したところをこすらないでください。)
3. 接種後に発熱したり、接種した部位が腫れたり、赤くなったりすることがありますが、一般にその症状は軽く、通常、数日中に消失します。
医療介護課