平素より市民及び関係各位の皆様には、高齢者福祉行政にご理解とご協力を賜り、心よりお礼を申し上げます。
　さて、全国的に高齢化及び人口減少が進展していく中、国は子ども、高齢者、障がい者などを含む全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り、高め合うことができる地域共生社会の実現を目指し、令和２年６月に社会福祉法等の一部を改正する法律の改正を行いました。
　これまで、団塊の世代が７５歳以上となる令和７年（２０２５年）を見据えた高齢者施策の展開が求められてきましたが、今後は、団塊ジュニア世代が６５歳以上となる令和２２年（２０４０年）も見据え、地域の実情を踏まえた高齢者施策の展開が求められているところであります。
　本市におきましては、総人口に占める６５歳以上の高齢者の割合（高齢化率）が４割を超え、全国を上回る状況にありますが、高齢者のうち、約８割の方は介護などのサービスを必要としない元気高齢者で、地域社会において活動されている現状にあります。
　このような状況の中、本市における高齢者に関する施策全般について定めた計画について、地域共生社会の実現を目指し、医療・介護・予防・福祉・住まい・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の深化・推進を図ることで、「住み慣れた地域で支え合いながら、安心して自分らしく暮らし続けられる串間の実現」を目指すために、「第９次串間市高齢者保健福祉計画・第８期串間市介護保険事業計画」を策定いたしました。
　介護予防や自立支援・重度化防止を推進することで元気高齢者を増やすとともに、高齢者がこれまで培ってきた豊富な知識や経験を生かして、地域社会の担い手として、地域活動や社会貢献活動に積極的に参加していただくことができる環境づくりを推進して参ります。
　また、医療ニーズまたは介護ニーズ、もしくはその両方のニーズを有する高齢者や認知症高齢者など、支援を必要とする高齢者やそのご家族が地域で安心して暮らし続けることができるよう、在宅医療と介護の連携や認知症施策等を推進しながら、地域住民による支え合いと行政サービス等による支援が連動し、地域を丸ごと支えることのできる包括的支援体制の構築を力強く推進して参ります。
　最後に、各種調査にご協力頂きました市民及び介護サービス事業所の皆様、コロナ禍において本計画の策定にあたり貴重なご意見・ご協力をいただきました串間市高齢者保健福祉計画等審議会の委員の皆様に心よりお礼申し上げますとともに、今後、更なるご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

令和３年３月
　串間市長　　島　田　俊　光