10月いっぱいで地域おこし協力隊を退任する事となりました。２年間の任期の中では、串間市の食のブランディング支援を行なってきました。ブランディングという高い目標の中では、力不足ゆえの悩みも多かったです。ただ、試行錯誤した中で、多少は串間市のファンが増えてくれたのではないかと感じています。何よりも私自身が串間市の大ファンになりました。
着任してすぐに任せられた、ヤマダイかんしょのGI認証取得は今年8月に無事登録されました。２年間の中で一番時間を掛けた仕事でした。何十回も申請書を書き直し、農水省の担当者とも何十回もやり取りを行いました。最終的に担当者が大束の圃場を視察した際に、この素晴らしい産地の景色を今後も残して欲しいという感想をいただいた際に、長いやり取りを通して思いが伝わったと感じました。
（GIについての説明パンフを製作しました。）
また、ブランドポスターの製作もすぐに取り組んだ仕事のひとつです。デザイナーとコピーライターの方とは初めての仕事で、最初は意見のぶつかりもあったのですが、共通して、串間市が好きだからその良さを伝えよう、という思いがあり素敵な作品を仕上げていただきました。お二人にはその後も串間市の色々な場面で活躍していただいています。彼女たちも今ではすっかり串間のファンの一員です。(ですよね？？）GI取得の際にはこっそり宮崎日日新聞に祝福のイラストを掲載いただきました。
（宮崎日日新聞掲載記事です。）
県外のフェアやイベントも担当させていただきました。一過性のものでなく、串間市の良さを五感で感じてもらってファンになってもらえる企画をやりたいと思い、関西地区での料理教室を計画しました。そういった思いに共感して実施してもらえる企業を見つけるのに苦労をしましたが、大坂ガスクッキングスクールという1924年から創設された歴史ある料理教室とお仕事ができることとなりました。参加者は料理教室の会員の方々です。お教室で長く、食の大切さ、楽しさを学んで来られた参加者の皆さんは、日頃の食材選びにも熱心のようで、イベントでは毎回質問攻めでした。１回のスクールには５名から１０名のインストラクターがつくのですが、インストラクターの皆さんもしっかり勉強いただき、丁寧に串間市の食材の説明をしてくれます。大坂ガスクッキングスクールのスタッフと参加者の方々は、関西で串間を応援してくれる大切な仲間です。
（2018年９月23日大坂スクールの親子レッスンでは大阪ガスクッキングスクールが考案したヤマダイ甘藷のデザートを3品作ってもらいました。）
福岡でも単市でイベントを開催しました。キンカン始め農産品は完売。宮崎県福岡事務所のお力もお借りして、事前にTVや新聞各所の告知をさせていただいたおかげで、来客者の中には、新聞を見て来ていただいた方も数名おり、切り抜きを見せてもらった時にはとても嬉しかったです。記事を見て、計画を立て、わざわざ足を運んでくれたのだなあと。
（ふるさと納税係にも参加いただき、みんなで串間市をPRしました。）
ブランド事業の強化品目にあがっていた、オクラについては、乾燥オクラとミニオクラを提案しました。乾燥オクラは旬以外の輸出品が出回る時期にも販売できないかと考えたものです。ミニオクラは早く収穫することで、多忙期の労力分散にならないだろうかと提案しました。こちらは、まだまだこれからの事業ですが、市の事業者の方々に試食していただいたりと、生産者はじめ周りの方々に協力いただいているので、今後が楽しみな事業です。
（乾燥オクラは試作品までは行いました。写真は一番人気だった輪切りのオクラです。規格外も良品同様美味しかったです。味は濃くなり香ばしいです。）
少しづつ話題になって来た串間の養殖岩牡蠣は、特徴を見出す為に知り合いのシェフに調理してもらい、濃厚なエキスに注目。味を視覚的に伝える為に味分析を行いました。結果は「コクがあり素材の味が濃厚」という是非PRしたい結果となりました。この結果をPR素材に使ってもらいたいです。試作いただいたシェフも気に入っていただき、後日店舗のイベントに牡蠣を購入いただきました。
（宮崎市内のイタリアンレストラン サレルーナ で試作いただきました。岩牡蠣とニョッキに濃厚な牡蠣のソースを合わせています。）
ヤマダイかんしょのGI取得記念として、大阪の有名フレンチレストランでのイベントも企画しました。甘藷以外にもeかんぱちや串間市の自慢の食材を使ってもらい１ヶ月以上に渡りメニューを思考錯誤いただきスペシャルメニューを作っていただきました。シェフからは、これ以上甘藷のメニューはないってくらい様々の調理をしましたよ！と言われるほどご尽力いただきました。残念ながら9月30日に開催予定だったイベントは台風の影響で11月11日の開催に延期となり、私がイベント当日に参加することはできなくなりましたが、お客様の反応が楽しみです。参加者がこのイベントを長く思い出にできるよう、お土産用のエコバックを製作しました。このデザインが私の最後の仕事となります。デザインには串間市への思いを込めています。太陽は串間市の人々と食です。太陽のようにキラキラと輝き、明るく暖かく串間にきた方々を最高に美味しい食で迎え入れてくれます。このエコバックは、将来、道の駅でも使ってもらい、県外の方々にこのバックいっぱいに串間の食を持って帰ってもらいたいと思っています。
（シェフが一番苦心されたというヤマダイ甘藷のアイスクリーム。イベント後のお店のグランドメニューに検討中です！）
（イベント用にポロシャツとエコバックのデザインを行いました。このデザインが今後も色々な場所で使ってもらえたら嬉しいです。）
今回地域おこし協力隊としては退任してしまいすが、引き続き、新くしま人応援隊という市民団体に籍をおき、地域活性の活動をさせていただきます。
ですが、これまでの感謝を込めて、２年間本当にありがとうございました！
農業振興課
