串間市

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7割の生徒が串間への愛着がアップ!~福島高校地域創生学アンケート結果報告~

 

 先日、福島高校3年生(地域創生クラス)を対象に、「地域創生学に関するアンケート」を実施しました。

 「地元への愛着が定住につながる」と言われている中で、地域創生学の授業が実際に愛着や地域への関心につながっているのか、2年間の成果を数値化することが目的です。アンケートの結果から、以下のようなことが分かりました。

 

 ◎7割の生徒が「串間市への愛着が上がった」と回答

 「Q2年間地域創生学を学び、高校に入学する前と比べて串間市への愛着は変化しましたか?」という質問に対して、7割の生徒が「とても上がった」「やや上がった」と回答しました。

 

 ◎8割以上の生徒が「高校生が地域創生・防災の場面で役に立つことがある」と回答

 「Q地域創生の場面で(地域のイベントで)、高校生の役立てる場面は多いと思いますか?」という質問に対して、8割以上の生徒が、「とても上がった」「やや上がった」と回答しました。また、防災の場面では、9割以上の生徒が「高校生が役立てることがある」と回答しました。この結果から、防災活動など、具体的にイメージしやすい方が地域に関わりやすいということが見えてきました。

 

 

  

 ◎8割の生徒が、「高校が地域の中で、地域創生に関する大きな可能性を持っている」と回答

 「Q高校は地域の中で、地域創生に関する大きな可能性を持っていると思いますか?」という質問に対して、8割以上の生徒が「とても上がった」「やや上がった」と回答しました。

 


 

 アンケート結果の相互関係を明確にするためにクロス集計をした結果、以下のようなことが分かりました。

 

 ◎愛着を上げる授業の実施が、実践に向けたモチベーションにつながる

 地域創生学を受けて愛着が上がったと答えた生徒の9割以上が「地域創生の場面で高校生が役立てる場面が多い」「高校は地域の中で地域創生に関する大きな可能性をもっている」とポジティブな回答をしています。

 

 

 

 この結果から、地元への愛着が「地域へ貢献したい」という気持ちや「自分たちにできることがある」といった実践に向けたモチベーションにつながるということが分かります。

 

 ◎対話と参加の時間を並行して行うことが、行事への参加や地域への関心につながる

 「地域創生学を学び、地域の行事・イベントに参加することが増えた」と回答した生徒の7割が「家族や友人と地域について話しをする機会が増えた」と回答しています。また、「家族や友人と地域について話をする機会が増えた」と回答した生徒の7割が「地域の行事・イベントに参加することが増えた」と回答しています。

 

 

 

 この結果から、教育現場においては、「対話」と「参加」を並列に扱ったほうがいいと分かります。これまでの2年間は、地域創生の場面に合わせて、「対話学び参加」のサイクルで行ってきました。今後は、「対話」と「参加」をカリキュラムのはじめに意図的に取り組んでいく必要があると思います。

 

 ◎地域創生学の授業を通して、知的好奇心、課題解決力、チームワーク力が向上

 授業に関するアンケートの他、「Q地域創生学を学び、高校に入学する前と比べて、今のあなたはどんな風に変化したでしょうか?」という個人の能力を図る質問を行いました。17項目で回答してもらった結果、以下のようなことが分かりました。

 

 【17項目】

 1.新しいトピックや社会問題に出会うと、自分なりにその意味を考えてみるようになった

 2.自分が興味を持った分野に関して、知識を深めたいと思うようになった

 3.考えさせられるような、少し難しいくらいの課題が面白く感じるようになった

 4.納得いかない問題には、きちんと解決できるまで関わりたいと思うようになった

 5.身の回りのことや自分が体験したことから、もっと知識を深めたいと思うようになった

 6.自分の知らないトピックに出会ったときは、理解できるまで調べたいと思うようになった

 7.物事の解決策をあれこれ考えるのが好きになった

 8.困難にぶつかっても、気がくじけることがなくなった

 9.既成の枠組みにとらわれず、新しい視点から物事をみることができるようになった

 10.大局的な視点から物事を理解しようとするようになった

 11.何かするときに、ひとつのやり方だけでなく、いろいろなやり方を考えるようになった

 12.たくさんの仕事でも、みんなと一緒にやればできる気がするようになった

 13.みんなでいろいろな意見を出し合うことは有益であると思うようになった

 14.個性は多様な人間関係の中で磨かれると思うようになった

 15.グループ活動をすると、他の人の意見を聞くことができるので、自分の知識も増えると思うようになった

 16.ひとりでやるよりも、協同した方が良い成績を得られると思うようになった

 17.グループのために自分の力(才能や技能)を使うのは楽しいと思うようになった

 

 

 グラフの縦軸は評定値、横軸は項目番号を指し、項目16が「知的好奇心」、711が「課題解決力」、1217が「チームワーク力」を表しています。全ての項目において、平均を上回る結果が出ており、2年間を通して生徒の知的好奇心、課題解決力、チームワーク力が上がっていることが分かります。

 

 最後に

 

 予め決められた答えを提示する指示型ではなく、試行錯誤の中で生徒と先生が共に答えを見つけていく対話型で実施した地域創生学の授業。

 

 アンケートの結果から、地域創生学が生徒たちの串間に対する愛着を生んでいることが示されました。また、授業を受けてきた生徒の多くが「高校生が地域で役立てることがある」「福島高校は地域創生に関する可能性を持っている」と感じていることが分かりました。

 

 スキルや知識を既に持っている人だけが地域に参加できると考えるのではなく、「何か地域に貢献したい」という想いや地域への愛着をベースに参加していくこと。そのことが人口減少や少子高齢化が深刻となり地域への「参加」がより一層求められている今、必要なことであると私は考えています。そして、「地域に貢献したい」という想いを実際の行動に繋げていくために、まずは「地域で役立てることがある」と自分自身の可能性に目を向ける必要があります。

 

 地域創生学は、生徒たちが様々な可能性と向かい合うことの入り口となり、串間をより良くしていきたいという想いと実践を生むことができました。

 

 生徒一人ひとりが持つ可能性を、串間の地域創生につながる大切な「タネ」と考えてみてください。2年間という期間を通して彼らなりのペースで見つけた可能性の「タネ」が、「タネ」のままで終わってしまわないように、私は「対話」、それから今回のアンケートで分かった「参加」を通して、私にできることを実践していきたいと思います

総合政策課