昨年度の4月に福島高校でスタートした「地域創生学」の授業。
2年生では特産品を使った商品開発、3年生では防災をテーマに
串間の地域創生につながる様々な知識や知恵を学び、実践を重ねてきました。
2年間の「地域創生学」での全ての学びを振り返るために、
昨年12月、地域創生クラスの3年生を対象に「地域創生カードゲーム」を実施しました。
地域創生カードゲームは、
ー2023年(4年後)、福島高校が「日本一面白い、地域創生に向けた取り組みをしている学校」として全国から注目を浴びている。ー
という設定で、福島高校でどのようなことが行われているのか具体的なアイデアを考えるゲーム。
2年間の学びを楽しく振り返ってもらいたい、学んできたことを次に繋げてもらいたい。という想いから、宮崎産業経営大学の出山准教授と共同で開発しました。
ルールは簡単。「ひと」「場所」「もの」のカードを掛け合わせながら、福島高校でできる「こと(イベント)」「もの」「学び」「交流活動」を考えるというもの。
使えるカードの枚数に限りがあったり、ある程度アイデアが出た段階で新しいカードを配るなど、ゲームとして楽しんでもらうための仕掛けも取り入れました。
カードを掛け合わせながらアイデア出しをした後は、前回「グラフィック・ハーベスティング講座」で学んだグラフィックの基礎を活用しながら、未来の福島高校の絵を描いてもらいました。
◎生徒が作成した未来の福島高校の絵
最後に各班が考えたアイデアと未来の福島高校の絵を全体で共有しました。
生徒が考えたアイデアと描いてもらった学校の絵は、「未来の福島高校15のアイデア」としてまとめました。
1. 生徒と地域住民(農家さんや地元企業など)が、串間の暖かい気候を生かした野菜を育てたり、商品開発をしている
2. 生徒が観光客に特産品を紹介しながら、農業体験をしてもらう授業を実施している
3. 福島高校が農家さんにパソコンを教えて、効率の良い生産量などを調べるシステムを作ったり、生徒がブログで特産品を世界に発信している
4. 生徒と農家さんが協力して畑で作った食材を、パソコンで販売したり、売り込みチラシを作っている
5. 生徒が観光客に串間の観光地を案内する授業をしている
6. 生徒と先生が教室で特産品の命名をしている
7. 観光地に関する授業や防災講座などが実施されている
8. 生徒が防災グッズの開発をしている
9. 農家さん、地元住民、生徒、保護者が料理教室を開いたり、特産品を使った商品開発をして、地元の企業が商品化し串間をPRしている(試食会もあり)
10. 生徒、市役所、地元住民で地域密着型避難訓練を実施している
11. 串間の特産品を使って、グラウンドでキャンプをしている
12. 生徒と住民、中学生などが交流したり学び合ったりしている
13. 体育館が防災シミュレーションセンターとして防災の意識を高めるゲームや、防災講座の実施、防災グッズの紹介などをしている
14. 図書館で学び合いながら、漁師の人とコラボして、魚一匹丸ごと使った保存食を生徒と考えている
15. 図書館が災害歴史資料館として、地元住民や観光客の学びの場になっている
生徒が考えたアイデアを見てみると、串間にある資源を活用した「あるもの活かし」のアイデアや、学校を超えたつながりを活かしたアイデアばかりです。
福島高校が地域創生や防災の拠点として串間に欠かせない学校となるためのアイデアを、自ら考え、可視化していく姿を見て、付箋にアイデアを書くことも、アイデアをまとめることも苦戦していた2年前の彼らと比べると大きく成長していると実感しました。
学校が、「知識を与えられる場所」から「一人ひとりの可能性と地域の可能性を広げる拠点」として地域に開かれた学校へと変化してくための取り組みの一つが「地域創生学」であると私は感じています。
これからも私にできることから、福島高校の取り組みを応援していきたいと思います。
※地域創生ゲームは福島高校の取り組みをベースに作成していますが、様々な形にカスタマイズできる仕様です。学校だけでなく、地域や団体でも使えます。興味がある方はお声がけください。
総合政策課