串間市

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未来志向で対話し、コミュニティを再創造する〜福島高校「地域創生学Ⅱ」の取り組み(1)〜

 

 こんにちは。串間市地域おこし協力隊の清山美咲です。

 前回の活動レポートでは、「私がなぜ、地域おこし協力隊になったのか」をテーマに、活動をしていく際に大切にしている「未来志向」と「対話」という2つの考え方について紹介しました。

 

リンク先:「なぜ、地域おこし協力隊になったのかー未来志向で対話し、コミュニティを再創造するー

 

 今回は「未来志向」と「対話」をベースにした具体的な活動として、福島高校の地域創生学の授業で実施している対話型授業についてレポートしていきます。

今年度のテーマは「防災」

  

 福島高校では昨年度の4月に、串間の地域活性化や課題解決策の研究等を目的とした「地域創生学」の授業が新設されました。(地域創生学は探求クラスと地域創生クラスに分かれて実施。)

 今年度地域創生クラスでは、2年生が「串間市の特産品を活用した地域創生のアイデアを考えよう!」をテーマに、3年生が「防災」をテーマに授業に取り組んでいます。今回のレポートは、地域創生クラスの3年生が取り組んでいる「防災をテーマとした地域創生学」の授業について紹介したいと思います。

 

防災に関わる関係機関による講話

  

 授業では、実際に災害が発生したとき、すぐに行動できる人材になるために、市や県の危機管理課や防災士、海上保安庁、串間警察署、消防本部など、防災に関わる関係機関に講師に来ていただき、それぞれの専門分野から防災に必要な知識について学んでいます。

  

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災害に強いコミュニティを考えよう!

  

 5月下旬、学んだ知識を「自分ごと」として捉え、実際に活用できるようになるために「災害に強いコミュニティを考えよう!」をテーマに対話型授業を実施しました。

 

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 災害時の正確な知識や判断力、減災につなげるための日頃の備えなどといった「自助」に加えて、災害時は地域や近隣の人同士が互いに助け合うコミュニティや、一人ひとりが我慢することなく協力・協働し合えるコミュニティ、すなわち「共助」の視点も必要となります。

 今回の授業は、近い将来、確実に起こると言われている自然災害に対して、今、私たちにできることを「地域コミュニティ」の視点から考えることを授業の目的としました。

 

チーム力を考える~マシュマロタワーに挑戦~

  

 授業の前半は、「なぜお互いに協力し合うことが大切なのか」を体感してもらうために、マシュマロタワーというゲームに挑戦してもらいました。このゲームは、チームで協力して、より高いタワーを立てることを目的としたゲームです。

 

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 はじめは、このゲームを体験したことがあると自信満々をに言っていた生徒も、条件や使う道具が変わると上手くいかず苦戦している様子でした。

 災害時も限られた条件や物資の中で生活していかないといけない場面が出てくると思います。そういった時に、地域内で知恵を絞り、協力していくことが大切であるということをこのゲームを通して体感してもらえていたら嬉しいです。

 

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 ゲームは2回に分けて実施したのですが、どのグループも1回目よりも2回目の方が「実践→失敗→改善」の試行錯誤のスピードが早くなり、数値も伸びていました。また、2回目の方がグループ内での話し合いが活発になり、ゲームに対する意欲も高くなっていました。

 

フューチャーセッション:災害に強いコミュニティをつくろう

  

 授業の後半は、未来思考で対話をし協調的なアイデアを生み出す「フューチャーセッション」方式で進めていきました。

 「未来の困りごと」と「今からできること」という2つの問いについて、アイデア出しを行い、「未来の困りごとをなくすために、今から準備できること(アクション)」を考えてもらいました。

 

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「未来の困りごとをなくすために、今から準備できること」を考えてもらう際は、

・地域でできること

・家族でできること

・串間でできること

・1人でできること

の4つの視点でアイデアを出してもらいました。

 アイデア出しの時間に入ると、どのグループも積極的に意見を出し合っている様子でした。1年前に初めて対話型授業を実施した時と比べると、出されるアイデアの量や質、まとめる力など、生徒は一歩ずつ確実に成長しているんだなということを感じ嬉しく思いました。

さいごに

  

 今回は「地域コミュニティのチーム力」と「未来の困りごとに対して今から準備できること」という2つテーマについて授業を実施しました。防災意識を身につけてもらうためには、その必要性について一人ひとりが実感することがとても大切だと私は考えています。対話型授業やゲームなどを通じて防災を「自分ごと」として実感してもらい、実際に行動を起こしてもらえたら嬉しいです。

 

総合政策課