こんにちは。串間市地域おこし協力隊の清山美咲です。
私は普段、自分の考えや想いを伝えるとき、話し合いの場に参加するとき
「グラフィック(絵や文字、図、色など)」を使って伝えたり、話し合いを進めたり、
話された内容を描き残したりすることがあります。
これは「グラフィック・ハーベスティング」と呼ばれる手法で、
大切な話を"話し合い"で終わらせず次に繋げていくために、また、話し合いの際の関係性をよりよくしていくためなどに使われる手法です。
今回のレポートでは、この「グラフィック・ハーベスティング」について紹介したいと思います。
グラフィック・ハーベスティングを全国に広める取り組みをしている一般社団法人サスティナビリティダイアログの牧原ゆりえさんは、グラフィック・ハーベスティングを「大切な話し合いを行動につなげるためにプロセスをデザインして実践するための包括的な技術」と定義しています。
協力隊に着任してからこれまで、私は、地域の方や一緒に働いている行政の方、福島高校の生徒などたくさんの方の話を聴いてきました。
一人ひとりの話を丁寧に聴いていくと、串間市に対する想いや次世代に残していきたい知恵・学びなど、"聞いて終わり"ではもったいなと感じる話と出会うことが沢山あります。
そんな時に、紙とペンを持って大事な話を残していければ、この場にいなかった人にも共有できる。やり方ではなくあり方(想い)の部分で繋がることができる。と実感しました。
(市民活動交流センターパナップ主催の講演会「自走するチームづくり」の議事録をグラフィックで描いたもの)
地域おこしの仕事をしていると、チームで動くことや様々な団体との協働が求められることがあります。
でも、頭では「協働が大事であること」が理解できても、実際にそれを実行しようとするとうまくいかないことがあります。
なぜ協働することがこんなにも難しいのか、私なりに考えた結果、「一人ひとり、気づきや理解のスピードは違うということ。また、一人ひとりが持つ想いや背景も違うということが暗黙の中で起きているからではないか」という一つの気づきが出てきました。
グラフィックを使えば、文字だけで記録された議事録では残せない感情や表情、雰囲気なども残すことができます。
話し合いの中に、グラフィックがあったらもっとお互いに理解し合っている状態、歩みを揃えた状態で協働することができるかもしれない。"
そんな想いから可視化することを始めました。
その他にも、可視化することで以下のような効果が期待されています。
*全体像や流れを確認することができる
*自分の声が書かれていることで、場への信頼をつくることができる
*親やすいイラストがあることで、興味・関心を引き出すことができる
昨年度実施した福島高校「地域創生学」の授業でも、教材や授業内容の振り返りの際にグラフィックを活用してきました。
3年生を対象とした地域創生学のアンケートで「2年間の地域創生学の授業の中で、印象的だったこと」について意見を聞いたところ、
「イラストを使った授業が多くて楽しかった」といった意見もあがりました。
地域創生のように、「大切だとは分かっているけど、難しい。。」
そんな内容をみんなで楽しく取り組んでいくためにグラフィックが効果的であることを実感しました。
一人ひとりに違った背景や想いがあるからこそ、私たちが協働していく過程はとても複雑で難しいものだと実感しています。
グラフィック・ハーベスティングは絵の得意不得意に関係なく、誰でも実践できるということも魅力の一つです。
意図や想いを持って描くことで次の行動や変化に繋がるかもしれない。という可能性を持ってこれからも実践していきます。
総合政策課