データ分析を基に栽培する
キュウリ農家

宮崎キュウリ研究農園 田中崇史さん

串間市地域おこし協力隊から、キュウリ農家に。理論とデータを基に再現性を持たせたキュウリ栽培を目指し、日々研究を重ね、PDCA型農業に取り組んでいる田中さん。農家になった意気込みと、実現させたいことを伺いました。

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宮崎キュウリ研究農園
田中 崇史(たなか たかし)さん

2019年11月に宮崎県串間市へ移住し、串間市地域おこし協力隊として農家さんの下で農業技術の習得に努め、2021年11月に串間市本城地区で新規就農者としてスタートしました。

キュウリ農家として挑戦しようと思った理由

農業を始めると決めた際に施設園芸を営むことは概ね決めていたのですが、品目は決めていませんでした。そんな中、串間の農家さんにお会いして話を聞いていると「キュウリは大変だからやめておけ」という声を耳にする機会が多くありました。私は新しいことを始める時に選択肢が生まれたら困難な方を選ぶと決めているので、大変と言われているキュウリを栽培しようと決心しました。

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農業を始めるために活用した制度

活用した制度は、農業次世代投資資金経営開始型および青年等就農資金、そして串間市地域おこし協力隊起業支援補助金を活用しました。制度を活用していくうえで非常に細かい部分まで調べていたので、日程等の段取り等は比較的スムーズに進められたと思います。また、制度実行の延期が起きることを前提にして早めのスケジュールで申請していたので、実際にスケジュールの延期が起きた際でもなんとか就農することができました。

就農準備で苦労したこと

制度の調査が一番苦労しました。制度や補助金を活用する際、前例がなかった部分も多かったので、他自治体の前例や同じようなケースで就農した個人に問い合わせをして様々な情報を集めました。そして、私のケースで制度および補助金活用の問題がないことを様々な視点から説明できるように準備しました。

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ズバリ!今の悩みは?

潅水が定まらないことです。天気とキュウリを見ながら潅水量および潅水する時間を決定していますが、キュウリが求めている水を与えることができていないと感じています。難しいことですが、自分が想定するキュウリの姿を実現できるようにキュウリをよく観察して栽培していきたいです。

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実際に農家になってみて

今のキュウリがどういう状態なのかを常に考え、かつ、その状態なのはなぜなのかを理論的に説明できるように日々研究しています。また、外気温や天候の変化を予測して防除体系を組むことなど実際に農家になってみないとわからない部分も多く、毎日新しい発見があるので充実した毎日を送っています。

現在の1日のスケジュール

4:00 or 5:00~22:00
ハウス内作業

22:00~23:00
ハウス内環境および生育データ整理

23:00~24:00
栽培における疑問点等の調査(例.現時点における生育ステージの平均的な灌水量、農薬や肥料選定など)

24:30
就寝

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1年後の目標

今作で行った間違いをしないことです。間違った作業をした理由を細かく記録しているので、同じことを繰り返さないようにしていきたいです。

就農をめざす人たちへアドバイス

ひたすら作物を観察すればどんなに経験がなくても作物の変化に気づくことができるので、あとは本を見たり、先輩農家さんに相談したりして対処していけば何とかなると思います。

宮崎キュウリ研究農園

田中さんの農業記録はウェブサイトで公開中です。キュウリ栽培や農家の経営といった農業分野、キュウリに関する国内・海外の論文紹介、日常生活などを随時更新しています。

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