就農1年目でキュウリの反収を
24トン越えした理由

宮崎キュウリ研究農園 田中崇史さん

串間市本城の田中崇史さんは、元串間市地域おこし協力隊。2021年に就農し、キュウリの栽培を始めました。定植したのは2021年11月3日。定植してから7か月後には、就農1年目でJAはまゆう胡瓜部会における平均反収16.6トンを超えて反収24.7トンに達し、農協長賞(品質の部)レギュラー個・共 優等を受賞。就農1年目から良い成績を残せた理由や苦労したことについて伺いました。

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ハウス内を隅々まで観察

キュウリを栽培するうえで一番大切にしたことは、キュウリを細かく観察することです。生長点の色や厚み、葉の色・厚み・大きさ、果実の形などキュウリの変化を見逃さずに適当な潅水や施肥、ハウス内の温度管理等を心掛けました。また、温度や湿度などの環境データを測定していましたが、あくまでも植物体の状態に合わせてハウス内環境を整えることを第一に考え、測定値に引っ張られすぎないよう意識していました。
収量を上げるために意識的にやったことはほぼありませんが、今作は栽培期間を通して安定的にキュウリを管理することが目標でしたので、樹勢維持しながら病害虫対策を行っていました。

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就農1年目の栽培の難しさ

毎日毎日キュウリが病害虫に侵されていないか、ハウス内温度が乱れていないかといった不安に駆られていました。さらに、収穫量が多かった日は近々肥料切れやなり疲れをおこすのではないかなど、常に精神が追い詰められている日々が続きました。
また、キュウリが良い状態の時が一番大変で、この状態をいつまで続けることができるのかを一日中考え、この先どういう風に状態を崩す可能性があるのか、状態を崩したときに立て直す方法などをひたすら列挙していました。なので、客観的に見て順調だなと思える状態が私にとっては非常に辛い状況でした。

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農業で大切なのは、人とのつながり

分からないことや気になったことがあったら農家さんに電話して細かく聞き、場合によってはハウスを見せてもらって自分のキュウリと比較していました。地域の先輩農家さんがいなかったら今作を無事に終えることは、確実にできなかったと思っています。
また、機器が壊れた際に農機の方がすぐに直しに来てくれたことや指導員の方がキュウリの状態を見ながら他農家さんと比較してくれたりなど、人のつながりにすごく助けられました。

就農2年目の挑戦

目標は、今作の失敗を繰り返さないことと、そして10a当たり30トンに収量を上げることです。

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